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母乳育児のすすめ

2008年05月20日

母乳育児のすすめ
人間は哺乳動物だから母乳が出るのです。哺乳動物は母乳という素晴らしい生理と、赤ちゃんが母乳からもらう免疫や抗菌物質などによって、数億年生存してきました。母乳育児は当然の行為を意味する「生物学的行為」であり、育児の一環と言えます。
特に子供の犯罪やいじめ、自殺、不登校、あるいは母親の乳児虐待など、最近の社会現象の原因を考えると、それが全てではないとしても、各分野の専門家の発表において、乳児期の育児、母乳育児の問題にたどり着くと言われるようになってきました。
かつて母乳のメリットは、栄養と感染症予防効果の面からのみ考えられていました。しかし今日、母乳育児が重視されているのは、母子の絆や愛着の形成に果たす役割が大きくクローズアップされてきています。母と子が肌でふれあい,お母さんは自分の乳で育てる充実感を感じ、その愛情が赤ちゃんに伝わります。そのときのスキンシップが、一生涯母子の信頼関係の基本になるわけです。
特に1歳3ヶ月くらいまでは、①しっかり抱いて ②語りかけ ③おっぱいを飲ませる ようにしてほしいものです。
これらにはそれぞれ生理的な意味があり、母と子の絆の原点です。特に出産後の1,2週間の成母期は医学的にも,生物学的にも最も重要な時期だといえます。出産直後のお母さんと赤ちゃんはお互いに、短時間でホルモンが分泌され、お母さんには母乳の分泌や母性を目覚めさせ、赤ちゃんにはお母さんを認識し、おっぱいの味も覚え、お互いを呼び合っている時期なのです。
では、我国ではそれほど意味のある母乳育児がなぜ減ってきたのでしょうか。
働く女性が増え、気持ちはあっても母乳にできない、また家庭はすべて電化で便利になったのに、育児は合理化できない。育児負担だけが重く感じられるようになったという事情があると思います。また母乳が出にくいといって人工乳にする方もいますが、もう少し努力すれば、ほとんどの方が、母乳栄養が可能なのです。
戦後,赤ちゃんを早く自立させようというアメリカの育児法が入ってきて、母子を引き離してしまったのも大きな弊害だったと思います。また搾乳でお乳の形が崩れるという根拠のない宣伝なども多分に影響したと思います。
これらにより、我国の出産1ヶ月後の母乳育児は、一時期30%まで減りました。10年前の調査でもまだ46%までしか回復していません。今、少年犯罪や暴力が多発するアメリカはその重大性に気づき、昔の日本の育児を勉強しています。その後ダイオキシンによる汚染騒ぎもありましたが、母親のダイオキシンが母乳に出てくるとしてもわずかであり、厚生労働省の研究班の調査では心配ないとしています。
これらのことで母乳をやめる理由にはなりません。母乳育児にはそれを超えるメリットがあります。むしろ人工乳は大量に作られるプラスチック製容器が廃棄、焼却されるとダイオキシンの発生源になるという問題をも抱えています。また今の産院での大きな問題は、お母さん方が出産直後から直接授乳したいという意欲が強くても、出産直後からの母乳育児へのサポートがうまくなされていない例が多いことです。まず出産直後から母子を切り離さないことが重要だと思います。
今後母乳育児を少しでも理解して頂き、いろいろな分野からのサポートが得られ、安心して母乳保育ができる環境が、すべての母親に実現できるように願いたいと思います。  


Posted by マナ&ベビー at 15:20Comments(0)